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【徹底検証】Ninajirachi「iPod Touch」vs SebastiAn「Walkman」――音楽史を「iPod vs Walkman」で読むと妙に納得できる説

【徹底検証】Ninajirachi「iPod Touch」vs SebastiAn「Walkman」――音楽史を「iPod vs Walkman」で読むと妙に納得できる説

結論から言おう。

「Ninajirachi=iPod」「SebastiAn=Walkman」という対比は、単なる語呂合わせに見えて、実はそれぞれの楽曲が象徴する音楽文化の違いまでかなり綺麗に説明できてしまう

もちろん、両アーティストが公式に「iPod vs Walkman」を意識して対決しているわけではない。しかし、2000年代フレンチ・エレクトロのSebastiAn『Walkman』と、2025年のNinajirachi『iPod Touch』を並べると、携帯音楽プレーヤーの世代交代そのものが電子音楽の歴史を横切っているように見えてくるのである。


1. まず「iPod Touch」は本当に人気曲なのか?

ここは前回よりさらに強く言える。

Ninajirachiの「iPod Touch」は2025年6月にリリースされた楽曲で、2025年のTriple J Hottest 100で堂々の27位を獲得している。これは単なるネット上の珍曲ではなく、オーストラリアの大規模な音楽投票で実績を残した曲である。

さらに2026年にはARIAのAustralian Artist Singlesで15位、Dance Singlesで20位まで上昇している。

つまり、

「iPod Touch」というタイトルの曲がある

しかも電子音楽として結構ヒットしている

しかもタイトルが本当にiPod Touch

という、なかなか出来すぎた案件なのである。

2. しかもNinajirachi本人が「iPod Touch」の意味を説明している

ここが重要だ。

Ninajirachi本人によれば、「iPod Touch」は12歳の頃にインターネットで好きな音楽を偶然見つけ、それによって世界が開けた体験を題材にしている。

本人のBandcamp掲載コメントでも、当時学校の友人には電子音楽を好きな人がほとんどおらず、ネットで音楽を発見することが「秘密」のように感じられた、と説明されている。

つまり、この曲におけるiPod Touchは単なる小道具ではない。

「ネットから音楽を発見する入口」なのである。

3. 一方、SebastiAnの「Walkman」は2006年

対するSebastiAn。

彼の「Walkman」は2006年のEd Banger Records作品『Ross Ross Ross』に収録されている。

Ed Banger Records公式ディスコグラフィーでも、2006年8月28日発売の作品の3曲目として「Walkman」が確認できる。

さらに2007年には『Walkman 2』もリリースされ、「Walkman (Re-Edit)」が収録されている。

ここで年代を並べると、

SebastiAn Ninajirachi
Walkman iPod Touch
時代 2006年 2025年
レーベル/背景 Ed Banger/フレンチ・エレクトロ 現代エレクトロ/ネット世代
象徴 Walkman iPod Touch

……いや、出来すぎである。

4. 「Walkman」と「iPod」は、音楽の聴き方そのものが違う

ここからが本題だ。

WalkmanとiPodは、どちらも「持ち歩いて音楽を聴く機械」ではある。しかし文化的にはかなり違う。

Walkman

  • 自分で持っているカセット/音源を聴く
  • アルバムやテープという「物体」が存在する
  • 録音・ダビング・交換という文化がある
  • 音楽を「持ち歩く」ことが革命だった

iPod Touch

  • デジタル音源を大量に持ち歩く
  • ネット経由で音楽を発見できる
  • 検索・プレイリスト・アプリなどと接続する
  • 音楽を「発見する」ことまで携帯端末に統合される

したがって、かなり乱暴に哲学化すると、

Walkman=「音楽を持ち歩く革命」

に対して、

iPod Touch=「音楽世界そのものへの入口」

なのである。

5. SebastiAn「Walkman」は「物質としての音楽」の最後の輝きなのか

もちろん、これは歴史的事実というより批評的な読みである。

しかし2006年という時代を考えると面白い。

CDやレコード、12インチ、MP3、iPodなどが混在しながら、電子音楽が「DJが物理メディアを操る文化」から「デジタルファイルを操る文化」へ移行していた時代である。

その時代のフレンチ・エレクトロを代表するレーベルの一つがEd Bangerであり、SebastiAnの「Walkman」というタイトルは、まさに携帯音楽機器そのものを曲名にしてしまうという強烈なネーミングだった。

しかも曲名が「Walkman」。

つまり、

「俺たちの電子音楽はWalkmanで聴くものだぜ」

……という妄想を勝手に膨らませることができる。

実際にはそこまで単純な話ではないが、オタク的な読みとしては非常に美味しい。

6. そして2025年、「iPod Touch」が現れる

ところが約19年後。

Ninajirachiが「iPod Touch」という曲を出す。

しかも、その曲が2025年のTriple J Hottest 100で27位に入る。

さらに本人の説明では、その「iPod Touch」は、12歳の頃にネットで電子音楽を発見し、自分の世界が広がった経験と結びついている。

ここに世代差がものすごく綺麗に出ている。

SebastiAn「Walkman」
携帯音楽プレーヤーを象徴する名前を、電子音楽のタイトルにする。

Ninajirachi「iPod Touch」
携帯デジタル端末を通じてネット上の電子音楽を発見した個人的原体験を、曲そのものにする。

これは単なる「昔の機械vs新しい機械」ではない。

音楽を「所有する」文化から、音楽を「発見する」文化への変化まで見えてくる。

7. だから「Ninajirachi=iPod、SebastiAn=Walkman」は妙にハマる

整理するとこうなる。

項目 Walkman iPod Touch
代表曲 SebastiAn「Walkman」 Ninajirachi「iPod Touch」
登場時期 2006年 2025年
音楽文化 フレンチ・エレクトロ 現代ネット世代エレクトロ
世代感 2000年代 2020年代
キーワード 物理メディア/DJ文化 ネット/発見/デジタル文化
象徴 持ち歩く音楽 世界を開く音楽

8. さらに面白いのは「コンピューター」までつながっていること

Ninajirachiの2025年の作品群を見ると、この考察はさらに強くなる。

2025年のHottest 100には「iPod Touch」だけでなく、彼女の「Fuck My Computer」も47位、「All I Am」が76位、「Delete」が99位に入っている。

つまり彼女の作品世界には、

Computer → iPod Touch → 電子音楽

という「テクノロジーと音楽の自伝」のような構造が見えてくる。

本人も「自分の音楽はすべてコンピューター・ミュージックで、コンピューターが自分の楽器だ」という趣旨を語っている。

ここまで来ると、

「iPod Touch」という曲名は単なるノスタルジーではなく、電子音楽を発見した自分自身のルーツを表すタイトル

と考える方が自然である。

9. 「Walkman vs iPod」は「アナログvsデジタル」ではない

ここは注意したい。

Walkman=アナログ、iPod=デジタル、と単純化するのは正確ではない。

むしろ重要なのは、

Walkmanは「音源を持ち歩く」という体験を象徴し、iPod Touchは「音楽を探す・発見する・ネットにつながる」という体験を象徴する

という文化的な違いである。

だからこの対決は、

アナログ vs デジタル

というより、

「音源を持つ」vs「音楽世界に接続する」

と表現した方が面白い。

10. 最終判定:「iPod vs Walkman」説、かなりアリ

というわけで判定。

検証項目 判定
「Walkman」という有名電子音楽曲が存在する
SebastiAnの「Walkman」はEd Banger作品
Ninajirachiに「iPod Touch」が存在する
「iPod Touch」が実際に大きな人気を得た
両曲を世代論として比較できる
両者が意図的に対決している △(確認できず)
「iPod=Ninajirachi、Walkman=SebastiAn」というネタ かなりアリ

結論:これは「音楽プレーヤー版世代交代」である

SebastiAn「Walkman」は、2000年代フレンチ・エレクトロの象徴的な文脈に位置する。

一方、Ninajirachi「iPod Touch」は、2020年代のネット世代がデジタル端末から電子音楽を発見した経験を直接タイトルにしている。

だから、

2006:SebastiAn ― Walkman
「携帯プレーヤーで電子音楽を聴く時代」

2025:Ninajirachi ― iPod Touch
「携帯端末から電子音楽の世界そのものを発見する時代」

という対比は、かなり美しい。

すなわち――

Walkmanが「音楽を持ち歩く革命」なら、iPod Touchは「音楽世界への入口」だった。

そしてその二つをSebastiAnとNinajirachiがそれぞれ曲名にしている。

これはもう、

「SebastiAn vs Ninajirachi」=「Walkman vs iPod Touch」

という音楽プレーヤー世代対決として語りたくなる案件なのである。

判定:★★★★☆(4.5/5)――ネタとしては満点、音楽史的な比喩としてもかなり筋が通っている。

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