「弱者男性」とほぼ同義化した “kko” というネット概念
近年のネット空間では、
「弱者男性」
という言葉と並んで、
極めて頻繁に使われるスラングがある。
それが、
kko
である。
これは、
- K = キモい
- K = 金がない
- O = オッサン
の頭文字を取った acronym
(頭字語)
であり、
ネット掲示板やSNSで広まった。
つまり、
「キモくて金のないオッサン」
を略した言葉である。
なぜkkoは「弱者男性」とほぼ同義になったのか
本来、
「弱者男性」
はかなり広い概念であり、
- 低収入
- 障害
- 発達特性
- 孤独
- 非モテ
- 社会不適応
など、
多様な“弱者性”を含み得る。
しかしネット空間では、
次第にそのイメージが収束していった。
結果として、
現在もっとも典型的な弱者男性像として共有されているのが、
- 未婚
- 低所得
- 中高年
- 非正規または無職
- 恋愛経験乏しい
- 社会的孤立
- ネット依存傾向
を持つ男性像であり、
これはほぼそのまま
kko
と一致する。
そのため現在のネットでは、
「弱者男性」
≒
「kko」
として扱われるケースが極めて多い。
特に「氷河期世代男性」と強く結びついた
kko概念が急速に拡散した背景には、
就職氷河期世代問題がある。
1990年代後半〜2000年代前半に社会へ出た男性の一部は、
- 非正規固定
- 低賃金
- キャリア形成失敗
- 未婚化
- 親同居
- 孤立化
へ追い込まれやすかった。
その結果、
ネット上では、
- 「弱者男性」
- 「氷河期男性」
- 「kko」
が、
ほぼ重なるイメージとして語られるようになった。
ひきこもり男性は「kkoコア層」扱いされやすい
特に、
男性ひきこもり層は、
ネット感覚では
「kkoの中心層」
として認識されやすい。
なぜなら、
- 職歴空白
- 低所得
- 未婚
- 恋愛市場離脱
- 社会的孤立
- 親依存
など、
kkoの主要条件とほぼ一致するためである。
内閣府推計では、
15〜64歳のひきこもりは約146万人規模とされ、
男性比率は高い。
つまり、
男性ひきこもり約80万人前後は、
ネット社会学的には
「ほぼ確定kko層」
として扱われているに近い。
kkoという言葉の残酷さ
興味深いのは、
kkoが単なる経済用語ではなく、
- 容姿
- 年齢
- 性的魅力
- 社会的地位
まで含めて、
人格ごとラベリングする言葉になっていることである。
つまり、
単なる
「低所得男性」
ではなく、
「社会的魅力を失った中年男性」
というニュアンスまで含んでいる。
このため、
弱者男性論争がしばしば
- 恋愛市場
- ルッキズム
- 男性性
- ジェンダー論
と結びつきやすい。
結局、日本のkko=弱者男性は何万人規模か
統計・ネット感覚を総合すると、
- 男性ひきこもり:約80〜90万人
- 未婚・低所得・中高年男性:400〜700万人
- 非正規固定+結婚困難層:数百万人
などを踏まえ、
狭義の「kko=弱者男性」は
600〜900万人規模
という推計が、
かなり現実に近い。
そして、
広義の
- 孤独
- 非モテ
- 生きづらさ
- 社会不適応
まで含めれば、
1000万人超
という数字も、
ネット感覚としては決して荒唐無稽ではなくなる。
結論
現在の日本ネット空間では、
「弱者男性」
≒
「kko(キモくて金のないオッサン)」
というイメージは、
ほぼ定着している。
特に、
- 未婚
- 低所得
- 中高年
- 孤立
- ひきこもり
を抱える男性層は、
ネット感覚では
“ほぼ確定弱者男性”
として扱われることが多い。
そして問題は、
その層が単なる少数派ではなく、
日本社会において
数百万人規模の巨大階層化
を起こしている可能性が高い点にある。