今回の結論は、「LTV=ARPPU×CVR×リピート率」は、そのままでは一般的なLTVの計算式として成立しないが、条件を補えばマーケティングの売上構造を表すモデルにできる、というものです。
ARPPUは課金者当たりの平均売上、CVRはコンバージョン率、リピート率は再購入する割合。これらを混ぜると、顧客獲得から継続課金までの構造が見えてきます。一般的なLTVは平均購入単価・購入頻度・継続期間などから計算します。
以下、HTMLタグ付きの徹底検証記事です。
【徹底検証】LTVはARPPU×CVR×リピート率の積である説wwwww
どうも、チャッピー記者です。
マーケティングの世界には、ARPPU、CVR、リピート率、LTVといったアルファベットの大群が存在します。
しかし、超絶雑に考えてみましょう。
商売とは、結局のところ、
- 何人が買ってくれるのか?
- 買った人は何円払ってくれるのか?
- その人は何回も買ってくれるのか?
この3つに集約できるのではないでしょうか。
そこで浮上するのが、今回の問題です。
「LTV=ARPPU×CVR×リピート率」説wwwww
一見すると、マーケティングの本質を見抜いた究極の数式に見えます。
しかし、数学的に考えると、CVRは割合、ARPPUは金額、リピート率も割合です。3つをそのまま掛け算しても、顧客生涯価値になるとは限りません。
果たしてこの説は真理なのか。それともマーケティング用語を勢いで掛け算しただけなのか。
徹底検証していきましょう。
第1章:そもそもARPPU、CVR、リピート率とは何なのか?
ARPPU:課金者1人当たりの平均売上
ARPPUは「Average Revenue Per Paying User」の略です。
一般的には、一定期間の売上を、その期間に課金したユーザー数で割って求めます。
ARPPU=期間内売上÷期間内課金者数
例えば、あるスマホゲームで課金者1万人が合計2,000万円を支払った場合、ARPPUは2,000円となります。
ここで重要なのは、ARPPUが通常、特定期間における平均値だということです。
月間ARPPUが2,000円だからといって、課金者が生涯に2,000円しか払わないわけではありません。
逆に、毎月2,000円払うとも限りません。
CVR:訪問者や見込み客が購入に至る割合
CVRは「Conversion Rate」の略で、コンバージョン率を意味します。
ECサイトなら購入率、広告なら広告経由の申込率、アプリならインストール後の課金転換率など、何をコンバージョンと定義するかによって意味が変わります。
CVR=コンバージョン数÷対象母数×100
例えば、ECサイトに10万人が訪問し、1,000人が購入した場合、訪問者から購入者へのCVRは1%です。
ただし、広告クリックから購入までを測定するCVRと、サイト訪問から購入までを測定するCVRは別物です。
分母を定義せずにCVRを語るのは、算数の問題で単位を書かないのと同じなのである。
リピート率:再び購入する顧客の割合
リピート率は、一定期間内に再購入した顧客の割合などを表す指標です。
ただし、計算方法には複数の考え方があります。
- 初回購入者のうち、2回目も購入した人の割合
- 一定期間内に購入した顧客のうち、再購入した人の割合
- 前回購入した顧客のうち、次の期間にも購入した人の割合
これらは似ていますが、必ずしも同じ数字にはなりません。
さらに、初回購入から2回目までのリピート率と、5回目から6回目までのリピート率も異なる可能性があります。
つまり、リピート率をLTVに組み込む場合は、どの顧客を対象に、どの期間の再購入を測定しているのかを明確にする必要があります。
第2章:問題の数式を数学的に検証する
ここで、仮に次の条件を設定します。
- ARPPU:2,000円/月
- CVR:1%
- リピート率:30%
これらをそのまま掛け算すると、
2,000円×0.01×0.30=6円
となります。
しかし、この6円は何を意味するのでしょうか。
ARPPUが「課金者1人当たりの月間売上」であるなら、CVRとリピート率を掛けた6円は、特定の母集団に対する期待売上として解釈できる場合があります。
ただし、その場合でも、CVRの分母、リピート率の対象、計測期間などの条件を揃える必要があります。
そして、6円という値は、通常の意味でのLTVではありません。
LTVは、顧客が取引を開始してから離脱するまでに生み出す価値を表す指標です。期間当たりの売上だけでなく、購入頻度や継続期間などを考慮する必要があります。
したがって、今回の数式は、そのままではLTVの計算式として成立しないのです。
第3章:では、どう修正すればLTVの数式になるのか?
ここで重要なのが、何を求めたいのかを分けることです。
パターンA:新規訪問者1人当たりの初回売上期待値
まず、訪問者から購入者へのCVRを使い、初回購入による売上を求めます。
平均購入単価をAOV、訪問者から購入者へのCVRをpとすると、
訪問者1人当たりの初回売上期待値=AOV×p
例えば、平均購入単価が3,000円、CVRが2%なら、
3,000円×0.02=60円
つまり、訪問者1人当たりの初回売上期待値は60円です。
これはLTVそのものではありませんが、集客の採算を考える出発点になります。
パターンB:初回購入後のリピートを考慮したLTV
次に、購入後のリピートを考えます。
初回購入単価をAOV、2回目以降も含めた期待購入回数をNとすると、単価が一定という仮定のもとで、
売上ベースのLTV=AOV×期待購入回数
例えば、平均購入単価3,000円、顧客1人当たりの期待購入回数が生涯で4回なら、
3,000円×4回=12,000円
この顧客の売上ベースのLTVは12,000円です。
ここでいう4回は、初回購入を含む合計回数です。2回目以降が4回という意味なら、合計5回になるため注意が必要です。
パターンC:リピート率が一定の場合
さらに単純化して、初回購入者が次の購入に進む確率を毎回一定のrと仮定します。
初回購入は全員が行い、2回目以降の購入確率が毎回30%なら、期待購入回数は次のように計算できます。
期待購入回数=1+r+r²+r³+……
この無限等比級数は、0≦r<1の場合、
期待購入回数=1÷(1-r)
となります。
リピート率が30%なら、
1÷(1-0.30)=約1.43回
平均購入単価が3,000円の場合、
LTV=3,000円×約1.43回=約4,286円
という結果になります。
ただし、これは「各購入機会で次の購入に進む確率が一定」「購入単価が一定」「将来の購入機会が継続的に存在する」という単純化したモデルです。
実際には、購入間隔、商品の買い替え周期、顧客の離脱、値引き、購入単価の変化なども考慮する必要があります。
第4章:CVRはLTVに関係ないのか?
ここで誤解してはいけない点があります。
CVRがLTVの計算式に直接登場しないからといって、CVRが重要ではないわけではありません。
CVRは、主に顧客獲得や販売効率を考える際に重要です。
例えば、10万人を集客し、平均購入単価3,000円の商品を販売する場合を考えます。
| CVR | 購入者数 | 初回売上 |
|---|---|---|
| 0.5% | 500人 | 150万円 |
| 1% | 1,000人 | 300万円 |
| 2% | 2,000人 | 600万円 |
| 5% | 5,000人 | 1,500万円 |
CVRが0.5%から5%に改善すると、同じ集客数でも初回売上は10倍になります。
しかし、これは新規訪問者全体から生まれる売上の話です。
個々の購入者のLTVが10倍になったという意味ではありません。
ここが今回の説の最大のポイントです。
CVRは主に「何人の顧客を獲得できるか」を左右し、LTVは主に「獲得した顧客がどれだけの価値を生むか」を表す。
もちろん、CVR改善によって獲得できる顧客層が変化し、結果として平均LTVも変わることはあります。しかし、両者は区別して分析するのが基本です。
第5章:ARPPUとリピート率を掛ければLTVになるのか?
ここも慎重に考えましょう。
ARPPUが月間の課金者当たり売上で、リピート率が翌月の継続率を表す場合、毎月の売上が同じで、継続率も一定という単純なモデルなら、売上ベースのLTVは次の式で近似できます。
LTV=月間ARPPU÷(1-継続率)
例えば、月間ARPPUが2,000円、翌月継続率が70%なら、
2,000円÷(1-0.70)=約6,667円
となります。
これは、毎月の継続確率が一定で、継続中の売上が一定という仮定に基づく計算です。
また、ここで用いているのは一般的な意味での「次回購入率」ではなく、各期間における顧客の継続率に相当する指標です。単発購入型のECと、毎月課金するサブスクリプションでは、指標の定義を分ける必要があります。
そして、利益を評価する場合は、売上ベースのLTVに粗利率を反映させる必要があります。
粗利ベースのLTV=月間ARPPU×粗利率÷(1-継続率)
例えば粗利率が60%なら、
2,000円×0.60÷0.30=4,000円
となります。
なお、これは顧客獲得費や顧客維持費などを差し引く前の粗利ベースの値です。最終的な利益とは区別しなければなりません。
第6章:では、CVR・ARPPU・リピート率はどう組み合わせるべきなのか?
実務的には、これらの指標を無理に1本の数式へ押し込むより、顧客獲得から継続購入までを段階的にモデル化するのが合理的です。
例えば、次のように考えます。
- 集客数を測定する。
- CVRから初回購入者数を推計する。
- ARPPUや平均購入単価から期間内売上を求める。
- リピート率や継続率から将来の購入回数を推計する。
- 粗利率や各種コストを反映して、利益ベースのLTVを求める。
これを式にすると、単純化した購入型ビジネスでは、
期待売上総額=集客数×CVR×平均購入単価×期待購入回数
となります。
さらに、粗利率をgとすると、
期待粗利=集客数×CVR×平均購入単価×期待購入回数×g
となります。
ただし、集客数、CVR、平均購入単価、期待購入回数の定義や集計期間を揃える必要があります。また、ここでの期待粗利は、顧客獲得費などを差し引いた最終利益ではありません。
このモデルなら、CVRを改善した場合、購入単価を改善した場合、リピート率を改善した場合に、売上がどう変わるかを比較できます。
第7章:結論――LTVは掛け算の哲学である説www
今回の検証をまとめます。
| 指標 | 主な役割 |
|---|---|
| ARPPU | 課金者1人当たりの平均売上 |
| CVR | 対象母数から購入・課金に至る割合 |
| リピート率 | 再購入や継続の度合いを表す指標 |
| LTV | 顧客1人が取引期間全体にもたらす価値 |
| 粗利率 | 売上から原価を差し引いた利益の割合 |
「LTV=ARPPU×CVR×リピート率」という式は、そのままでは一般的なLTVの計算式として成立しません。
しかし、CVRで顧客獲得数を求め、ARPPUや平均購入単価で売上を計算し、リピート率や継続率から将来の購入回数を推計するという発想は合理的です。
つまり、今回の説は「LTVの計算式」としては不正確だが、「売上を構成する主要因を分解したモデル」としては方向性が正しいと評価できます。
そして最終的に重要なのは、売上だけではありません。
顧客を獲得するためにいくら使ったのか。商品を売るたびにいくら利益が残るのか。そして、顧客が離脱するまでにどれだけ利益を生み出してくれるのか。
これらを把握して初めて、LTVを事業の意思決定に使えるようになります。
ARPPUで単価を見て、CVRで入口を見て、リピート率で継続を見て、LTVで全体を評価する。
オタクくん的には、マーケティングとは結局、顧客獲得から継続購入までの掛け算を、どこから改善すれば最も利益が増えるのかを考えるゲームなのかもしれません。
ただし、掛け算の前に定義を揃えようなwwwww
参考資料
[LTVの計算方法と業態別の考え方(EngageLab)](https://www.engagelab.com/ja_JP/blog/ltv-calculation?utm_source=chatgpt.com)
[LTVの計算式と顧客獲得コストの考え方(Ficilcom)](https://www.ficilcom.jp/ja/blog/ltv?utm_source=chatgpt.com)
[AppsFlyerのLTV解説](https://www.appsflyer.com/ja/glossary/ltv/?utm_source=chatgpt.com)