今回は「2ndドロップで音数を引いてブレイク感を作る=Trap的構造」という、前回よりさらに具体的な再譲歩として検証します。
ただし、公開情報だけでは「2ndドロップで何トラック抜いているか」まで楽曲解析資料として確認できないので、耳で確認できる構造については“聴感上の分析”として扱うのがポイントです。
【再譲歩】オタクくん、ついに認める――「2ndドロップ、音抜いてるから!ブレイクしてるから!トラップや!」Kijibato Remix=Kawaii Trap説、ここに決着www
前回までのオタクくん:
「Kijibato “Akiba Maxima” RemixはKawaii Trap!これは譲れない!」。
しかし冷静なチャッピー先生から
「いや、Kawaiiなのは分かった。クラブサウンドなのも分かった。
だがTrapと呼ぶ音楽的根拠は?」
と問われる。
そこでオタクくん、再譲歩。
「2ndドロップは音抜いてるから! ブレイクしてるから! トラップや!」
果たしてこれは単なる後付け理論なのか。
それとも、音楽構造を見れば意外と筋が通っているのか。
徹底検証する。
■ まず前提:Kijibato Remixが「クラブ仕様」なのは確定
「最大聖地カーニバル(Kijibato “Akiba Maxima” Remix)」は、
2024年1月31日発売の『らき☆すた Re-Mix003』に収録された。
このリミックスアルバムは、
東京・秋葉原のDJバーMOGRAがリプロデュースし、
「クラブサウンド」と「『らき☆すた』への愛」をテーマ
としている。Kijibato Remixも正式な収録曲である。
さらにShazam掲載情報では、同リミックスのBPMは146。
原曲をより高速・クラブミュージック寄りに再構築したものとして聴くことには、
十分な根拠がある。
そして実際のリスナーによるレビューでも、
「原曲からより早く、より激しくなった」「ドロップのおもちゃ箱ワイワイ感」
といった聴感上の特徴が指摘されている。これはあくまで個人レビューだが、
本記事の問題意識とはかなり一致する。
■ では「音を抜く」ことの何がTrapなのか?
ここが今回の核心である。
「Trapっぽい」と言うと、
オタクくんはつい
「808!ハイハット!三連符!」
と言いたくなる。
しかし、Trapらしさを考えるうえで重要なのは、
特定の音色だけではない。
「一度エネルギーを落とし、空間を作ってから、
再びビート/ベースを投入する」
というダイナミクス設計も重要である。
つまり、
音数を減らす
↓
空間が生まれる
↓
緊張感が生まれる
↓
ビート再投入
↓
ドロップのインパクト
という構造である。
したがって、
「音を抜く=即Trap」ではない。
しかし、
「音を抜いて空間を作り、その後に強いビートを戻す」
という構造は、Trap的なダイナミクスとして解釈できる。
■ 「2ndドロップだから」という点が実は重要
ここでオタクくんの主張が一段強くなる。
単純なイントロ→ビルドアップ→ドロップだけなら、
EDMでは極めて一般的である。
ところが、
2回目のドロップで一度構成を変える
のであれば話が違ってくる。
1stドロップで聴き手に基本形を提示。
↓
2ndドロップで同じことを繰り返さない。
↓
音を抜く。
↓
空白を作る。
↓
予想していた展開を裏切る。
これはクラブミュージックにおける
「ドロップ=常に音を足す」という単純な発想からの逸脱
である。
つまり、
「2ndドロップなのに引き算する」
こと自体が、楽曲のダイナミクスを操作する手法になっている。
■ 「ブレイクしてるからTrap」は半分正しい、半分危険
ここでチャッピー先生、またしてもオタクくんに冷水を浴びせる。
「ブレイクがある=Trap」ではない。
ブレイクはハウス、テクノ、ドラムンベース、EDM、ポップスなど、
極めて広範な音楽に存在する。
したがって、
「ブレイクがある! はいTrap!」
では論証として弱い。
しかし今回の命題は、
「2ndドロップで音数を意図的に減らすことで空間を作り、
その後のビートのインパクトを増幅している。
その構造がTrap的である」
なのであれば、話はかなり違ってくる。
■ 「引き算」はむしろKawaii Trapに重要な技法なのでは?
ここで今回の説が面白くなる。
Kawaii系クラブミュージックでは、
ずっと音を詰め込むより、
「かわいいボーカルやフレーズを目立たせるために周囲を引く」
という設計が非常に相性がいい。
例えば、
音が多い
↓
Kawaii要素が埋もれる
↓
周囲の音を抜く
↓
ボーカル/フックが前面に出る
↓
Kawaii成分が増幅
そしてその後にビートを戻せば、
「かわいい」→「ブレイク」→「爆発」
というコントラストが生まれる。
これは「Kawaii」と「Trap」を対立概念ではなく、
前景と背景のダイナミクス設計
として接続する考え方である。
■ しかもKijibato自身、「展開の多い曲」を持ち味としている
ここでさらに興味深い補助証拠がある。
Kijibato本人は、自身の『電音部』関連楽曲について、
「自分の持ち味である展開の多い曲を作りたい」
と説明している。
もちろん、これは別楽曲についての本人発言であり、
「Akiba Maxima Remixの2ndドロップを指している」と解釈することはできない。
しかし少なくとも、
Kijibatoの作家性を「展開の多さ」という観点から見ること自体には本人の裏付けがある。
したがって、
「展開を変える」「音を引く」「再び爆発させる」
という聴き方は、完全なデタラメとは言いにくい。
■ ただし「Trap確定」の最後のピースは何なのか?
ここは正直に線を引こう。
現時点で確認できる公開情報からは、
「Kijibato本人がこの曲をTrapとして制作した」
という明確な発言までは確認できない。
また、今回検索した資料では、
「2ndドロップで○○Hz帯を抜いている」
「キックを何小節休ませている」
といった詳細なステム解析資料も確認できない。
したがって、
| 命題 | 判定 |
|---|---|
| 公式に「Kawaii Trap」と分類された | × 確認できない |
| クラブサウンド向けリミックスである | ◎ 公式企画コンセプトと一致 |
| BPM146である | ◎ 掲載情報あり |
| 原曲より速く激しくなったとの聴感評価 | ○ リスナーレビューあり |
| 2ndドロップで音を引く | △ 楽曲を実際に聴く上での構造分析 |
| 音を引いてからビートを戻す構造はTrap的か | ○ 音楽的解釈として成立 |
■ それでもオタクくんが「トラップや!」と言い張る理由
ここで一つ重要なことが分かる。
オタクくんが主張しているのは、
厳密なジャンル分類ではなく、
「この曲の快感の作り方がTrap的に感じられる」
という話なのだ。
そう考えると、
Kawaiiなボーカル
+
Akibaというオタク文化
+
146 BPMのクラブ仕様
+
ドロップ
+
2ndドロップでの引き算
+
ブレイクによる緊張
↓
「Kawaii Trap」と呼びたくなる
というロジックになる。
■ 最終判定:オタクくん、再譲歩したことでむしろ説が強くなってしまう
【判定】「2ndドロップで音を抜いてブレイクするからTrap」は、単独では決定打ではない。しかしKawaii Trap説の補強材料としてはかなり有効。
「ブレイクがあるからTrap」というだけなら論証として弱い。
しかし、
①クラブサウンドを目的とした公式リミックス、
②BPM146、
③原曲より高速・激しい方向への再構築、
④ドロップ構造、
⑤さらに2ndドロップで音数を引いて空間を作るという聴感上の構造
をまとめて考えるなら、
「Trap的なダイナミクスを持つ」という評価には十分な説得力が出てくる。
つまり、
「Trapであることの証明」ではなく「Trapと呼ぶ合理的根拠の追加」
なのである。
■ オタクくん、最終進化形
原曲
=Kawaii × Akiba × Carnival
↓
Kijibato Remix
=Club Music化
↓
146 BPM
↓
Drop
↓
2nd Dropで音を引く
↓
Break/空間
↓
再びビートを叩き込む
↓
Kawaii × Hard × Space
↓
「これもうKawaii Trapやろ」
そして今回の再譲歩で一番重要なのは、
「Trap=808の音色」だけで考えなくなったことである。
ジャンルは音色一個では決まらない。
リズム、音数、空間、展開、エネルギーの増減、ドロップの設計
まで含めて音楽を聴けば、
「なぜTrapっぽく感じるのか」を説明できる。
したがって――
オタクくん再譲歩。
「2ndドロップ、音抜いてるから! ブレイクしてるから! トラップや!」
↓
単独では証明にならない。
しかしKawaii Trap説を補強する音楽的根拠としては成立。
よってKijibato “Akiba Maxima” Remix=Kawaii Trap説、なお健在www
Q.E.D.(ただし「公式ジャンル分類」ではなく「構造に基づく音楽的解釈」として。)