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【再検証】安室奈美恵「Ballerina」、本来は「Wolfgang Gartner × Namie Amuro」くらいの連名表記になって然るべきだった説

もちろんです。今回は前稿の「feat.」仮説を一段修正して、「Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro」ではなく、当時のコラボ表記の潮流を踏まえると「Wolfgang Gartner × Namie Amuro」の連名表記こそ自然だったのではないか、という軸にリライトするのが面白いです。

実際、「Ballerina」はWolfgang Gartnerが作曲・編曲・プロデュースを担当したとされ、安室奈美恵はボーカル。一方、2014年の「TSUKI」収録時も商品上のアーティスト名は安室奈美恵のままでした。
また当時の販売紹介でも「Wolfgang Gartnerがトラックを手掛けた」と前面に出されていました。

以下、「feat.説」から「連名表記説」へアップデートした完成版です。

【再検証】安室奈美恵「Ballerina」、本来は「Wolfgang Gartner × Namie Amuro」くらいの連名表記になって然るべきだった説

安室奈美恵の楽曲「Ballerina」を改めてクレジットから掘り返すと、どうにも一つの違和感が浮上する。

そう。

これ、安室奈美恵の名前だけで出すにはWolfgang Gartner成分が濃すぎないか?

2013年に発表された「Ballerina」は、作曲にWolfgang Gartnerが参加し、編曲・プロデュースもWolfgang Gartner。安室奈美恵はボーカルを担当している。さらに「Fire Power」とのサンプリング上のつながりも記録されている。turn0search0

つまり構造だけを抜き出せば、

Wolfgang Gartner
├─ 作曲
├─ 編曲
├─ プロデュース
│
└──── Ballerina ────┐
                     ↓
              Namie Amuro
                 Vocal

となる。

ここまで来ると、オタクくんの脳内では、

「Wolfgang Gartner × Namie Amuro」

という連名表記が発生してしまうのである。

■ 前稿の「feat.」説、実はちょっとズレていた

前稿では、

Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro – Ballerina

というEDM的な名義を提案した。

これは制作構造を説明するうえでは非常に分かりやすい。

しかし、今回さらに当時の音楽業界の空気まで考慮すると、もっとしっくり来る表現がある。

それが、

Wolfgang Gartner × Namie Amuro

である。

なぜなら「Ballerina」は、単純に「Wolfgang Gartnerの楽曲に安室奈美恵がゲストボーカルした」という一方向の関係だけではないからだ。

実際の商品としては安室奈美恵の楽曲として展開され、2013年10月にデジタル配信、2014年1月には「TSUKI」に収録された。turn0search1

つまり、

Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro

よりも、

Namie Amuro × Wolfgang Gartner

あるいは、

Wolfgang Gartner × Namie Amuro

という双方の名前を立てる表記のほうが、コラボレーション案件としての実態を表現しやすい。

■ そもそも「Ballerina」はWolfgang Gartnerを隠していたわけではない

ここは重要である。

「安室奈美恵の名前だけで売っていたからWolfgang Gartnerは裏方だった」と考えると、少し実態とズレる。

当時の販売情報では、むしろWolfgang Gartner起用が明確なセールスポイントとして紹介されていた。

NAMIE STYLEのリリース情報でも、「楽曲プロデュース」にWolfgang Gartnerを起用したことが明記されている。turn0search1

さらに「TSUKI」の商品紹介でも、Tower Recordsは「Wolfgang Gartnerがトラックを手掛けた『Ballerina』」として紹介している。turn0search10

つまり当時から、

「安室奈美恵の新曲」



「Wolfgang Gartnerが制作」

という組み合わせ自体が、この曲の重要な売りだったのである。

■ しかもクレジットを見ると、かなりガチ

「海外プロデューサーが名前を貸しただけ」という話でもない。

「Ballerina」のクレジットでは、作詞・作曲にGennessee Lewis、Cait La Dee、P.O.S.、Wolfgang Gartnerが並び、編曲・プロデュースをWolfgang Gartnerが担当したと記録されている。turn0search0

歌唱については安室奈美恵が担当。

役割 Ballerina
ボーカル 安室奈美恵
作曲参加 Wolfgang Gartnerほか
編曲 Wolfgang Gartner
プロデュース Wolfgang Gartner

これを見てしまうと、

「いや、もう連名でええやろ」

というオタクくんの感想にも一定の根拠が出てくる。

■ 「feat.」より「×」が似合う理由

ここが今回の説のアップデートポイントである。

「feat.」という表記には、基本的に主役と客演という構造がある。

Wolfgang Gartner
      ↓
   主役
      +
Namie Amuro
      ↓
   客演

しかし「Ballerina」の場合、実際の展開はもう少し複雑だ。

楽曲は安室奈美恵名義の商品として発売される一方、Wolfgang Gartnerの制作参加自体が大きくフィーチャーされていた。

したがって、

Namie Amuro feat. Wolfgang Gartner

でも、

Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro

でも、どこか一方に寄ってしまう。

そこで、

「Wolfgang Gartner × Namie Amuro」

となる。

この「×」には、

  • ボーカリスト
  • プロデューサー
  • 海外EDM
  • 日本のポップスター
  • 異ジャンル・異市場コラボ

という双方の存在感を同時に表現できる利点がある。

■ 2013年という時代を考えると、なおさら「×」感がある

さらに面白いのが時代背景である。

2010年代前半は、EDMが世界的なポップスとの接続を急速に強めていた時期。

DJ・プロデューサーとポップスターの組み合わせそのものが、単なる「裏方への楽曲提供」ではなく、コラボレーションとして前面に出てくる時代だった。

その文脈に置くと、

Namie Amuro
       ×
Wolfgang Gartner
       ↓
   Ballerina

という見せ方は、かなり時代に合っている。

しかも「Ballerina」はGUCCI × VOGUE JAPAN × NAMIE AMUROの企画とも連動していた。turn0search0

つまりこの曲自体が、

ファッション
   ×
安室奈美恵
   ×
EDM
   ×
Wolfgang Gartner

という複数のブランド/アーティストを交差させる企画だったのである。

■ 「安室奈美恵 feat. Wolfgang Gartner」でもないのがポイント

ここで逆方向から考えてみよう。

仮に、

Namie Amuro feat. Wolfgang Gartner

だった場合、一般的には「安室奈美恵の曲にWolfgang Gartnerが参加した」という理解になりやすい。

ところがWolfgang Gartnerは単なるゲスト参加ではなく、制作の中心部分を担っている。

一方で、安室奈美恵も単なるボーカル素材ではない。

彼女自身の名義で作品が発売され、MVやファッション企画まで含めて「Ballerina」の顔になっている。turn0search1

つまり、

「どちらがfeat.側なのか問題」

が発生する。

そして、この問題を最も綺麗に回避するのが、

「×」

なのである。

■ ただし「本来そうだった」は史実ではない

ここは検証記事として線を引いておきたい。

公式リリースが「Wolfgang Gartner × Namie Amuro」という連名名義だった、という事実は確認できない。

実際のリリースは「NAMIE AMURO / Ballerina」として展開されている。turn0search1

したがって、

「本来の正式名義はWolfgang Gartner × Namie Amuroだった」

と史実として断定するのは不正確。

今回の説はあくまで、

「2013年前後のコラボレーションの見せ方として考えれば、Ballerinaは連名表記にしても成立するほど双方の存在感が強かったのではないか」

という表記上の再評価である。

■ さらに「Fire Power」まで遡ると話が面白くなる

そしてEDMオタクが最もニチャるポイント。

「Ballerina」にはWolfgang Gartnerの「Fire Power」とのサンプリング上のつながりが記録されている。turn0search0

つまり、

Wolfgang Gartner
       ↓
  Fire Power
       ↓
  Ballerina
       ↓
Namie Amuro

という系譜が見える。

これを踏まえると、

「安室奈美恵の曲にWolfgang Gartnerが参加した」

という理解より、

「Wolfgang Gartnerの音楽世界と
Namie Amuroのボーカル/スター性を
組み合わせたコラボ作品」

と見るほうが、楽曲の制作構造を説明しやすい。

■ オタクくん的最終判定

表記 意味合い 「Ballerina」との相性
Namie Amuro – Ballerina 実際の公式リリース形態
Namie Amuro feat. Wolfgang Gartner 安室奈美恵主体+Gartner参加
Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro Gartner主体+安室ボーカル
Wolfgang Gartner × Namie Amuro 双方を主役とするコラボ

ということで、前稿の「feat.」説をさらにアップデートすると、

「Ballerina」は本来、Wolfgang Gartner feat. Namie Amuroというより、Wolfgang Gartner × Namie Amuroくらいの連名表記になって然るべきだったのではないか

という説になる。

実際の名義はあくまで安室奈美恵。
しかしクレジットを開けばWolfgang Gartnerが作曲・編曲・プロデュースまで担当。販売側も彼を制作上の重要人物として紹介していた。turn0search0 turn0search1 turn0search10

つまりこれは、

「安室奈美恵の曲に海外DJが曲提供した」

という一行で終わらせるには、あまりにもWolfgang Gartner濃度が高い。

結論としては、公式名義の訂正というより、2010年代EDM×ポップスの文脈から見た「もう一つの自然なタイトル」を提示する説として成立。

Namie Amuro「Ballerina」



Wolfgang Gartner × Namie Amuro「Ballerina」

こう脳内変換すると、2013年の音楽シーンを現在のコラボ表記感覚から見直すうえで、かなり面白い案件なのである。

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