以下、史実関係を確認したうえで、「実は名義上もサウンド上も Wolfgang Gartner × Namie Amuro と呼んで差し支えないレベルだったのでは?」という説として組み立てます。
実際、Ballerina はWolfgang Gartnerがトラックを手掛け、作曲者としてもクレジットされています。さらにGartnerの「Fire Power」をサンプリングしたことも確認できます。
【再評価】安室奈美恵「Ballerina」、本来は「Wolfgang Gartner & Namie Amuro – Ballerina」くらいの扱いになって然るべきだった説を徹底検証
2013年に発表された安室奈美恵の「Ballerina」。
しかしそのクレジットを改めて確認すると、なんとWolfgang Gartnerが作曲者として名を連ね、
さらにトラック制作・プロデュースまで担当していた。
つまりこれ、冷静に考えると「安室奈美恵の曲」というより、
「Wolfgang Gartner × Namie Amuro」の大型コラボだったのではないか?
という疑惑が浮上する。
■ 結論:「feat. Namie Amuro」表記でも全然おかしくなかった
まず確認しておきたいのは、「Ballerina」が単なる
「海外EDMプロデューサーから楽曲提供を受けたJ-POP曲」ではないという点である。
2013年発表の「Ballerina」は、作詞・作曲クレジットに
Gennessee Lewis、Cait La Dee、P.O.S.、そしてWolfgang Gartnerが名を連ね、
Gartner自身がプロデューサーとしてもクレジットされている。1
さらに2014年のシングル「TSUKI」収録版では、
「Ballerina」のアレンジにもWolfgang Gartnerが関与している。2
つまり、
安室奈美恵が歌った曲にWolfgang Gartnerがちょっと関わった
という程度ではない。
むしろ制作クレジットを見る限り、
Wolfgang Gartnerの音楽的存在感がかなり大きい楽曲
なのである。
■ そもそもWolfgang Gartnerとは何者だったのか
ここが今回の説の重要ポイントである。
Wolfgang Gartnerは当時のエレクトロ/EDMシーンで活動していたDJ・プロデューサーであり、
「Ballerina」についても日本側の紹介資料で「EDMシーンにおいて最重要のDJ/クリエイターの1人」
として起用されたことが紹介されている。3
さらに「TSUKI」の商品紹介でも、Wolfgang Gartnerがトラックを手掛けた楽曲として
「Ballerina」が紹介されている。4
つまり当時の文脈では、
Namie Amuro
×
Wolfgang Gartner
↓
Ballerina
という組み合わせそのものがニュースになる程度のコラボだったわけである。
■ しかも「Ballerina」はWolfgang Gartner成分がかなり濃い
ここでさらにオタクくんが反応してしまうポイントがある。
「Ballerina」は、Wolfgang Gartnerの楽曲
「Fire Power」をサンプリングしていることが記録されている。5
つまり構造としては、
- Wolfgang Gartnerの音楽的素材がある
- それを「Ballerina」に取り込む
- Wolfgang Gartner本人が作曲・制作面でクレジットされる
- そこに安室奈美恵のボーカルが乗る
という構成。
これをクラブミュージック的な感覚で見ると、
「Wolfgang GartnerのトラックにNamie Amuroがボーカル参加」
と表現しても、それほど奇妙ではない。
■ 「Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro」ではなく、なぜ「安室奈美恵 Ballerina」だったのか
ではなぜ実際の名義が
Namie Amuro「Ballerina」
だったのか。
これは日本のポップスにおける「歌手を主体にした商品設計」と考えると理解しやすい。
実際、「Ballerina」は2013年10月にデジタル配信され、
その後2014年1月29日発売のシングル「TSUKI」に収録された。6
しかも同曲はGUCCI × VOGUE JAPAN × NAMIE AMUROのコラボレーション企画とも結びついていた。7
したがって商品としては、
Wolfgang Gartner作品
↓
Namie Amuroが歌う
↓
GUCCI × VOGUE × NAMIE AMURO
↓
安室奈美恵ブランドとして展開
という流れだったと考えるのが自然である。
■ しかしEDMオタク視点では「Gartner feat. Amuro」に見えてくる
一方、クラブミュージック側の視点から逆算すると話が変わってくる。
EDMの文脈では、
Producer / DJ
+
Vocalist
という構造は極めて普通である。
そのため、
Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro – Ballerina
と書かれていても、少なくとも制作実態から見ればかなり納得感がある。
むしろ、
「え? これWolfgang Gartnerの名前をもっと前面に出してよくない?」
というオタクくんの疑問は、制作クレジットを調べると一定の合理性を持ってくる。
■ さらに重要なのが「Fire Power」由来という事実
「Ballerina」を単なる海外作家提供曲として見ると、この曲の面白さをかなり取りこぼす。
「Ballerina」はWolfgang Gartnerの「Fire Power」の要素をサンプリングしているとされ、
Gartnerにはその作曲上のクレジットも付いている。8
したがって、
Fire Power ↓ Wolfgang Gartner ↓ Ballerina ↓ Namie Amuro
という系譜を考えることができる。
これを発見した瞬間、
「安室奈美恵のBallerina」という認識が一気に「Wolfgang GartnerのBallerina featuring Namie Amuro」に変貌する
のである。
■ 「feat.」表記説の強度を検証
| 検証項目 | 確認結果 | 説への影響 |
|---|---|---|
| Wolfgang Gartnerが作曲者 | ○ | かなり強い |
| Wolfgang Gartnerがプロデューサー | ○ | かなり強い |
| アレンジにも関与 | ○ | 強い |
| Fire Power由来の要素 | ○ | 強い |
| 安室奈美恵がメインボーカル | ○ | feat.説を補強 |
| 実際の商品名 | Namie Amuro「Ballerina」 | 反証ではなく日本式商品設計 |
■ では「Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro」は史実なのか?
ここは慎重に分ける必要がある。
公式のリリース名義が「Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro」だったわけではない。
実際のリリースでは「Ballerina」は安室奈美恵の楽曲として扱われている。9
したがって、
「本来の正式名義がWolfgang Gartner feat. Namie Amuroだった」
と断定するのは言い過ぎである。
しかし、
「制作実態をEDMのアーティスト名義ルールに置き換えると、
Wolfgang Gartner feat. Namie Amuroと表記してもかなり違和感が少ない」
という再解釈なら、十分成立する。
■ オタクくん的最終結論
「Ballerina」は一見すると、
安室奈美恵
↓
海外EDMプロデューサーに曲を書いてもらう
↓
Ballerina
というJ-POP案件に見える。
ところがクレジットを掘ると、
Wolfgang Gartner
├─ 作曲
├─ プロデュース
├─ アレンジ
└─ Fire Power由来の音楽的要素
+
Namie Amuro
└─ Vocal
↓
Ballerina
という、かなり「プロデューサー feat. ボーカリスト」寄りの構造が見えてくる。
よって今回の説、
「安室奈美恵のBallerinaは、本来
Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro
『Ballerina』
くらいになって然るべきだった」
は、公式名義として正しいという意味ではないものの、制作クレジットとEDMの慣行から見た“別名義的な再評価”としてはかなり筋が通っている。
何より面白いのは、これが単なる「海外DJに楽曲提供してもらいました」案件ではなく、
Wolfgang Gartnerの「Fire Power」から安室奈美恵の「Ballerina」へ接続する、ガチでGartner色の濃い楽曲だった
ことである。10
結論:
「Namie Amuro – Ballerina」も正しい。
しかしEDMオタクの脳内では、
「Wolfgang Gartner feat. Namie Amuro – Ballerina」
と脳内変換しても、かなり許される案件だった――。
“`11